半導体チップ設計の大手メーカーであるメディアテック (2454) は、21日の寄り付きで強い動きとなり、寄り付き後にストップ高まで一気に上昇。株価は 2,090 元に到達し、史上最高値を更新し、当日の台湾株のエレクトロニクスの大型株の注目銘柄の1つとなった。市場では一般に、この上昇は、外部からの「メディアテックがAI ASICおよびカスタムチップ市場に参入する」という見方を背景に、バリュエーションと売上規模の再評価が行われたことによるものだと考えられている。
(SpaceX 自社建設のパッケージ工場、歩留まりが足止め!幹部は4月に台湾を訪問してサプライチェーンを強化すると伝えられ、3社の台湾メーカーが恩恵を受ける)
メディアテックの売上が下支え、第1四半期の業績が目標達成で自信
株価が過去最高値を更新する前に、メディアテックの財務データが先に市場の信頼を固めていた。経済日報によると、同社は3月の連結売上高が 632.19 億元に達したと発表した。月次で 62.29% 増、前年比で 12.9% 増であるだけでなく、単月としての過去最高記録も更新した。さらに、通期の第1四半期連結売上高は 1,491.51 億元で、四半期比 0.69% 減、前年比 2.71% 減ではあるものの、先行して示していた業績予想の上限目標の近くに収まり、経営陣の業績達成に関する約束を果たした。
言い換えれば、携帯端末の需要が、メモリと部品コストの上昇という逆風により継続して圧迫されているとしても、メディアテックの事業全体のレジリエンス(粘り強さ)はなお検証された形となり、株価の上昇トレンドを後押しする強力なファンダメンタルズの支えとなる。
ゴールドマン・サックスは 2,454 元の目標株価を提示。「2454 は 2,454 まで」と話題に
さらに、ゴールドマン・サックスはメディアテックの12か月目標株価を大幅に引き上げ、従来の 2,200 元から 2,454 元へ上方修正したが、ちょうどメディアテックの株式コードと完全に同一である。
今回の引き上げの中核となる根拠は、メディアテックの AI ASIC (特定用途向け集積回路) に対する長期の成長モメンタムに期待している点にある。2026年のAI ASICの売上貢献は、 20 億米ドルまで上方修正される可能性があると見込んでおり、さらに2027年には大幅に 123 億米ドルへ跳ね上がるチャンスもあり、全体のバリュエーション再評価を後押しする重要なエンジンになる見通しだ。
データセンター投資が倍増、AI ASIC が第2の売上源へ躍進する可能性
メディアテックのAI演算領域での取り組みは、決して最近始まったものではない。同社の総経理(ゼネラルマネジャー)である陳冠州は、早くから「今年のデータセンター関連の投資規模は昨年の倍になる見込みであり、関連する製品ラインは今後3年間で最も成長が速い事業になり、中期のうちに同社の第2位の売上項目へ躍進する可能性がある」と明確に表明している。
これは、メディアテックが深いところでのビジネスモデルの転換を進めていることを示している。すなわち、スマートフォン向けチップを主軸とするコンシューマ向けIC設計企業から、車載用やAIインフラなどの特定用途をまたぐハイエンド・チップのプラットフォーム企業へと変貌しているのだ。このような転換は、外部がメディアテックの売上規模について抱く想像を変えるだけでなく、バリュエーションのロジックを再定義することにもつながる。
4/30 の決算説明会までカウントダウン、3つの焦点が今後の市場の方向性を左右
メディアテックが 4 月 30 日に第1四半期の決算説明会を開催する見込みであることから、市場は一般に次の3つの主要テーマに注目している。
第一に、スマートフォン向けチップの需要が第2四半期に回復の兆しを見せるかどうか。第二に、AI ASICの顧客との協業の進捗、出荷のタイミング、そして実際の売上への具体的な寄与の時期。第三に、高度な事業の積極的な拡大を進める一方で、粗利率の見せ方と研究開発費のコントロールを、堅調さを維持できるかどうか。
加えて、米国時間の 4 月 22 日から 24 日にかけて開催される Google Cloud Next 2026 でも、最新の TPU v8 アーキテクチャが発表される見込みだ。市場では、TSMC、メディアテック、鴻海 (2317)、クオンタ (2382)、インベーダ (2356) などの台湾メーカーが恩恵を受ける可能性があり、台湾のAIサプライチェーン関連のテーマの熱気にさらなる火をつけると見込まれている。
(Google がMetaと手を組んで輝達の独占的地位に挑む、TorchTPU は TPU を強化して GPU の勢いを弱められるか?)
この記事 メディアテックの株価が 2,000 元の大台を突破しストップ高で上昇、決算説明会まであと少しが AI ASIC のテーマに点火。最初に 鏈新聞 ABMedia に掲載された。
関連記事
SpaceX、OpenAI、AnthropicのIPOは$240 Billion超を集める可能性があり、暗号資産市場の流動性に影響を与えるかもしれない