資金輪動進行中:金融株反発、小資族は1万円からどうやって投資を始めるか?

台股大盤は28,000ポイント付近で行ったり来たりしており、テック株の上昇は既に疲弊の兆しを見せている。一方、市場の奥底では暗い流れが渦巻いている——投資家の視線は次第に高値の電子株から、長期的に過小評価されてきた金融類股へと移りつつある。

この対比を想像してみてほしい:銀行の定期預金に1年間預けても利息はたった2%しか得られないが、同じ資金を金融株に投資すれば、安定して年間5-7%の現金配当を享受でき、さらには株価の補漲を待って利益を得ることも可能だ。この差はどれほど大きいだろうか?1万円を例にすると、定期預金の年間収入はたった200円だが、金融株なら500-700円をもたらし、株価上昇の可能性も加わる。資金が静かに流れ始めるのも不思議ではない。

なぜ今回の局面で金融株に注目すべきか?

評価額が著しく低迷

今回の相場の主役はほぼテック株で占められ、AI関連株が特に熱い。しかし、上昇が過熱するとPERは30倍を超え、利益成長も昨年の爆発的な伸びを持続できなくなる。これに比べ、大手銀行株のPERは未だ10-12倍の水準にとどまり、同時期のテック株はすでに倍増して25-30倍に達している。経済の軟着陸が予想される中、資金は自然と安定した利益と堅実な配当を出す価値株へと流れる。

金利環境の意外な追い風

過去、市場では金利引き下げは金融業に不利とされてきたが、実際はもっと複雑だ。台湾の金融持株会社は2024年前11月までの累計利益が5600億元を突破し、記録を更新している。たとえ中央銀行が継続的に金利を引き下げても、経済が堅調に推移すれば、2026年の金融持株の配当能力は今年よりも強くなる可能性が高い。これは株価の補漲余地が依然として存在することを意味している。

景気サイクルの防御力

2022年の熊市を振り返ると、加重平均株価指数は20%以上下落したが、金融指数の下落は15%未満だった。かつての下落率トップだった銘柄が最も小さな下落にとどまったことは、金融株の「攻めも守りもできる」性質を示している。テック株の動揺で半値以下に落ちる一方、金融株は3-5%の小幅な震動にとどまり、心理的コストも低い。

現在、市場は典型的な「価値株復活」のシグナルを示している。世界的な資金はMagnificent 7の上昇鈍化後、評価が低く利回りの良い金融類股へと自然に流入している。金融株は一般的にPER15-20倍、配当も安定しており、動揺局面での緩衝材としても優れている。

ただし、リスクが全くないわけではない。2026年の金利引き下げ幅が予想よりも小さく、経済が後退局面に入る、または地政学的リスクが高まる場合、貸出の不良債権比率が悪化し、株価の下落も激しくなる可能性がある。賢明な投資は分散を心掛け、すべての資金を一つの籠に入れないことだ。

金融株にはどんな分類があるのか?

台湾の上場銘柄は千数百に及ぶが、その中で金融類股は約49銘柄。大きく五つに分けられる。

金控股 — 最も多く選ばれる

金控会社は複合業態を採用し、銀行、生命保険、証券、投信・投顧など多角的に展開。サービスの範囲が広く、資産規模も大きく、株主構成も安定しているため、個人投資家に人気の選択肢となっている。国泰金、富邦金、中信金などがこれに該当。

銀行株 — 安定だが成長性はやや控えめ

純粋な銀行株(例:彰銀、台中銀)は預金・貸出に集中し、リスクは低い。変動は金控より小さく、保守的な投資家に適している。

保険株 — 金利に敏感

主な収益源は保険料と投資収益であり、金利環境に最も敏感。リスクは比較的大きく、株価の変動も激しい。

証券株 — 市場のムードを映す

収益は主に証券業務と手数料から。株式市場が活況のときは最も好調だが、閑散期にはぱっとしない。変動も大きい。

金融テクノロジー株 — グローバル展開

PayPalやマスターカードなど、成長志向の銘柄。伝統的な金融株とはスタイルが大きく異なる。

初心者はまず金控から始めるのが一般的。多角経営でリスク分散、配当も安定(多くは5%以上)。純粋な銀行株は堅実に持ちたい人向き。保険や証券は市場サイクルに応じて、取引量が増加したり金利が変動したときが買い時。

資金が少ない場合は、金融ETF(0055、006288)も低コストの選択肢だ。

台湾の金融株:四大金控と一銀行のおすすめ

最新データによると、2026年に向けて機関投資家の評価が高い銘柄は以下の通り。

富邦金(2881) — 領導的地位を堅持

年初65元で買い、年末には85元付近に上昇、約30%の上昇。子会社の保険事業は安定した貢献をし、資産運用やデジタル銀行の成長も著しい。PERは約12倍、EPSは4.5-5元と予想。積極的にスポーツイベントやブランドマーケティングに投資し、長期的なブランド価値の向上が期待できる。リスクは海外展開に伴う地政学的リスク。

國泰金(2882) — 東南アジアの成長ストーリー

年初50元→年末68元、約36%の上昇。ベトナムやタイなどでの保険事業が顕著に成長し、資産運用の手数料も年15%増。PERは11倍、EPSは4元と予想。2026年に金利が安定すれば、保険事業はさらに拡大の余地がある。ただし、保険業は金利低下に敏感。

中信金(2891) — デジタル変革の先駆者

年初28元→年末36元、約28%の上昇。モバイルバンキングの利用者は2025年に20%増加し、業界をリード。PERは13倍、EPSは2.8元と予想。中国市場の動向が潜在的なリスクだが、中国経済の反発があればサプライズも期待できる。ただし、中国の政策リスクも無視できない。

玉山金(2884) — 安定経営の模範

年初25元→年末32元、約28%の上昇。中小企業向け貸出やリテールバンキングが堅調で、純利息収入は年10%増。PERは12倍、EPSは2.5元と予想。長期保有に適し、ただし事業は台湾に集中。

彰銀(2801) — 純銀行の最も割安

年初16元→年末20元、約25%の上昇。資本充足率が高く、貸出品質も良好。資産運用も伸びており、PERは10倍と最も割安な純銀行株。防御資金の流入を呼び込みやすい。ただし、事業が単一で成長性は金控に劣る。

米国の金融株:世界的に注目の五銘柄

米国株の金融株に投資したい場合、以下の五銘柄が機関投資家の評価が高い。台湾の投資家は委託やETF、または差金決済取引(CFD)を使った短期取引も検討できる。

BRK.B バフェットのバークシャー・ハサウェイ

2025年に25-30%の上昇見込み。世界最大の投資持株会社で、保険、鉄道、エネルギー、製造など多岐にわたる企業を傘下に持ち、アップルやアメリカン・エキスプレスの株も大量に保有。現金は3800億ドル超。要は、超巨大なファンドのようなもので、保険で集めた資金を使い優良企業に投資し複利を得ている。多くの人はこれを「米国株最も堅実な防御株」と呼ぶ。

JPM 摩根大通

30-35%の上昇見込み。米国最大の銀行で、リテールバンキング、投資銀行、資産運用、クレジットカードなどを展開。従業員は30万人超、市值は8000億ドル超。2026年に資本市場が活況になれば、利益成長の潜在力は最も高い。

BAC 米国銀行

35%以上の上昇見込み。米国第二位の銀行で、顧客は6800万人超。預金規模は全米トップ。一般消費者向けのメインバンクとして、日常生活に最も近い存在。リテール預金のリーダーとして安定し、資産運用も急成長中。

GS ゴールドマン・サックス

25-30%の上昇見込み。ウォール街を代表する投資銀行で、企業の合併・買収やIPO支援に特化。クライアントは企業経営者や機関投資家が中心。2026年にM&AやIPOが活発なら、最も爆発力があるが、変動も大きいため、投資ポートフォリオの20%以内に留めるのが賢明。

AXP アメリカン・エキスプレス

20-25%の上昇見込み。世界的に有名なクレジットカード会社で、ハイエンド顧客をターゲットにしている。収益はカード手数料が中心で、利息収入は少ない。顧客の消費力が高く、景気の良し悪しに比較的強い。変動も少ない。

銀行株・金融株の運用法

定期預金株運用法 — 長期的に配当を得る

多くの人は金融株を買って定期預金のように持ち、毎年配当を受け取ることを想定している。これは確かに有効だが、金融株はリスクゼロではなく、変動やリスクも伴うことを理解すべき。

具体的な運用のポイントは:

・高配当(少なくとも5%以上)、低PER(台湾の金控は10-15倍、米国株は15-20倍)、利益が安定している銘柄を選ぶ。例:台湾の富邦金、国泰金、玉山金、米国のJPM、BAC。

・市場が高値圏で調整局面やテック株の調整時に段階的に買い増し、または配当利回りが6-7%を超えたら買い時と判断。買ったら長期保有し、毎年配当を受け取る。

・目標株価を設定しつつも、柔軟に対応。株価が目標に届かなくても、業績が良くなれば目標株価を引き上げる。バフェットは「時間は良い会社の味方」と言う。成熟産業の金融株には特に当てはまる。

・心理的に目標株価に到達したら、または配当利回りが4%以下になったら(株価が高くなった証拠)、次の割安銘柄に乗り換える。

この運用を数年続けると、主なリターンは配当と株価の補漲から得られ、日々の値動きを気にせずに済む。

スイングトレード — 波動を捉えて利益を狙う

金融株は景気循環株であり、周期性が強いため、長期保有よりもスイングトレードに向いている。テクニカル分析(移動平均線、サポート・レジスタンス、RSIなど)を駆使し、上昇局面と下落局面で利益を狙う。

ただし注意点は:台湾も米国も、過去10年のパフォーマンスは市場全体を超えていないこと、そしてブラックスワンが出現した場合、金融株の下落は他産業よりも深刻になりやすいことだ。例えば2015年の中国株暴落時、台湾50(0050)は24.15%下落したが、金融ETF(0055)は36.34%下落した。2022年のロシア・ウクライナ戦争後、ロシアのSberbankは数日で50%超の暴落を見せた。だからこそ、金融株は一見安定に見えても、リスクは決して小さくない。

金融株の三大リスク

市場リスク — 熊市では避けられない

金融株は市場の変動に敏感で、熊市では指数を下回る下落を見せやすい。特にブラックスワン的なシステムリスクが発生した場合、金融業全体に波及する。

金利リスク — 上昇も下降も影響大

金融株は金利変動に非常に敏感。金利上昇は純利差拡大に寄与するが、近年の低金利環境では利益圧迫要因にもなる。投資家は金利の動向を正確に予測できず、潜在的なリスクとなる。

貸出不良リスク — 不良債権リスクは常に存在

金融業は多くの業種に関わるため、借入企業の返済不能は不良債権や貸倒れのリスクを伴う。景気後退時には特に顕著になる。

最後に

テック株の爆発力には及ばないものの、S&P500に占める比率は13%と高く、長期的には市場を上回る潜在力を持つ。台湾の投資家が米国の金融株に投資したいなら、今が絶好のタイミングだ——評価も妥当で、配当も安定し、成長の可能性も十分にある。

重要なのはリスクを見極め、適切に資産配分を行うこと。すべての資産を金融株に集中させるのは避け、定期預金とスイングトレードを組み合わせることで、安定した配当を享受しつつ、補漲のチャンスも逃さないようにしよう。

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