オーストラリアドルは6日連続で上昇し、最高値を更新!インフレが予想を上回り、逆に上昇の牽引役に?

オーストラリアドルの最近のパフォーマンスは実に目覚ましいものがあります。10月29日、オーストラリアドル/米ドル(AUD/USD)は0.6607の壁を突破し、これで連続6営業日上昇しています。矛盾しているように見えますが、オーストラリアドル高を促進している要因の中には、予想外のインフレ超過といった「ネガティブ」なシグナルも含まれています。

インフレデータの予想外の好調、市場の見方が大きく変化

オーストラリア統計局が10月末に発表した第3四半期のCPIデータは、市場予想を打ち破りました。四半期ベースではCPIの上昇率は1.3%、年率は前期の2.1%から3.2%に急上昇し、いずれも市場予想を上回っています。コアCPIの修正後の平均四半期増加率も1.0%に達し、予想の0.8%を超えました。

このデータの発表は即座に先物市場の連鎖反応を引き起こしました。先物取引業者の価格設定によると、オーストラリア準備銀行(RBA)が来週(11月4日)に利下げを行う確率は、CPI発表前の40%から8%に急落しました。アナリストは、強いインフレデータにより、中央銀行のさらなる緩和政策の余地が大きく縮小されたと見ています。RBAのブロック総裁は、修正後の平均CPI増速が0.9%以上になれば大きな上振れサプライズとみなすと述べていましたが、実際のデータは1.0%に達し、11月の金利据え置きの土台を確固たるものにしました。

オーストラリアドル/米ドルの二重の支え

インフレ超過が逆にオーストラリアドルを押し上げるのはなぜか?その鍵は、世界の中央銀行政策の分化にあります。同時期に、米連邦準備制度理事会(FRB)は逆方向の動きを見せています。米東部時間10月29日、FRBは利上げ幅を25ベーシスポイント引き下げて3.75%~4.00%の範囲にし、量的緩和(QT)の終了も示唆しました。市場は今年2回目の利下げを完全に織り込んでいます。

オーストラリア準備銀行の「ハト派」的立場と、FRBの「タカ派」からの転換が鮮明な対比をなしており、この政策の違いが直接的にAUD/USDの為替レートを支えています。一方はRBAが利下げ停止の余地を持ち、もう一方は米ドルがさらに弱含む圧力に直面しているため、両者の力が重なり合い、オーストラリアドルに上昇の動力をもたらしています。

米中貿易緩和がオーストラリアドルの展望を後押し

中央銀行の政策差異に加え、地政学的緊張の緩和も無視できません。10月31日に韓国で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の非公式首脳会議では、米中のトップが対面で会談する予定です。トランプは最近、かなり前向きなシグナルを出しており、市場では中国がレアアースや大豆の取引を通じて、フェンタニル関税の免除を得る可能性もささやかれています。

米中がさらなる合意に達すれば、世界のリスク選好が高まり、投資家のオーストラリアドルなどリスク資産への関心も高まるため、AUD/USDの上昇トレンドに追い風となるでしょう。

為替見通し:年末に0.66突破、来年は0.68を目指す

オックスフォード経済研究所のチーフエコノミスト、ハリー・マーフィークルーズは、オーストラリアドルの動きについて楽観的な見方を示しています。彼は、今年末にAUD/USDが0.66に達し、2026年にはさらに0.68へ上昇すると予測しています。この予測は、オーストラリア準備銀行が比較的高い金利を維持し続けること、米ドルが引き続き圧力を受けていること、そして米中貿易情勢の緩和など複数の要因を考慮したものです。

総合的に見て、オーストラリアドルは短期的には上昇余地がありますが、中長期的な動きは、インフレが本当にピークに達したかどうかや、国際貿易環境の安定性に左右されるでしょう。投資家は、11月4日のRBAの金利決定や、APEC会議期間中の米中会談の実際の成果に注目すべきです。

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