みんながFRBの利下げに注目しているが、本当に心配すべきは来週の日本銀行の「刃」だ。

ビットコインは今回8万ドルから9.4万ドルまで反発したが、市場はすでに利下げ期待をほぼ織り込んでいる。今のカギは——パウエルの発言がどんなシグナルを出すか、そして日本側が本当に利上げに動くかどうかだ。

多くの人が忘れているかもしれないが、1998年に日本が超低金利政策を終了した後、何が起きたか。当時アジアの金融システムは直撃され、インドネシアやタイは圧力に耐えきれず、韓国は国家破綻寸前になった。FRBは象徴的に25ベーシスポイント利下げしたが、10月初めに円が急騰し、米国株のテックセクターがフラッシュクラッシュした。最終的にFRBは一度に75ベーシスポイント利下げしてようやく事態を収拾し、その後米国株は報復的に反発した。

なぜ円の利上げの破壊力がこれほど大きいのか？ロジックは実はとてもシンプルだ。世界中の資金が当時狂ったように円を借りて米国債で裁定取引をしていたため、円が上昇するとみんな米国債を売って円に戻し、借金を返さざるを得なくなる。米国債利回りが急騰し、リスク資産は当然打撃を受ける。このロジックは今も変わらず有効だ。

最近CFTCとCMEの建玉はずっと増加していて、誰かが仕込みをして獲物を待っているように感じる。本当の必殺技は来週かもしれない——円の利上げとCPIデータの発表が重なる場合だ。もしCPIが予想以上に急騰すれば、市場は利上げとインフレのダブルパンチに同時に耐えることになり、ボラティリティはさらに恐ろしくなる。

だからパウエルの発言トーンが非常に重要だ。ハト派利下げと穏やかな発言がセットなら、市場はもう一度息を吹き返して反発できるかもしれない。しかしタカ派利下げで、さらに日本銀行が本当に利上げしたら、この相場はどう受け止めても厳しいだろう。