ウォール街の大手銀行経営者、暗号資産規制の転換点を前に議会へ

出典:ETHNews 原題:ウォール街の銀行トップ、暗号資産規制の転換点迫る中で議会証言へ オリジナルリンク:https://www.ethnews.com/wall-street-bank-chiefs-head-to-capitol-hill-as-crypto-rules-near-a-turning-point/

ワシントンはデジタル資産を巡る議論の重大な局面に備えている。2025年12月11日、米大手銀行のCEOたちが上院に集結し、米国の暗号資産規制の未来を形作る可能性のあるハイレベルな協議が行われる。

金融サービスフォーラムが主催するこのセッションは、伝統的金融がインターネット黎明期以来最大級となり得る政策見直しの最前列に立つ意向を示している。

銀行側は単なる傍聴者ではなく、米国の競争力を維持しつつ危険とみなす抜け穴を回避するための規制枠組み作りのパートナーとしての立場を明確にしようとしている。

銀行が非公開で主張する予定のポイント

上院議員たちは、銀行システムにおける暗号資産の役割を定義しうる主要論点について銀行側の強い主張を聞くとみられる。

  • 暗号資産分野での競争
    銀行幹部は、銀行が監督の緩いノンバンク・プラットフォームに後れを取らずデジタル資産で事業展開できるよう、明確な許可を求めている。「暗号資産が金融システムに組み込まれるなら、銀行にも参入余地が必要だ」というのが銀行側のメッセージだ。

  • 利付ステーブルコインの阻止
    最も激しい論争の一つは、ステーブルコインに利子を付与すべきかどうか。銀行側はこれに強く反対する見通しで、「預金とデジタルキャッシュの境界が曖昧になり、システミックリスクが生じる」と主張している。

  • 不正資金対策規則の強化
    主要な論点として、暗号資産がマネーロンダリングや制裁回避に利用される問題が取り上げられる。銀行幹部は、デジタル資産エコシステム全体に対するAML(アンチマネーロンダリング)基準の厳格化と報告義務の明確化を求める方針だ。

  • SECとCFTCによる監督権限の分担
    業界は長らく「どの監督官庁が何を管轄するのか」の明確化を求めてきた。上院議員や銀行幹部は、証券を主に監督するSECと、暗号コモディティ市場で存在感を増すCFTCの権限分担をどう線引きするか議論する。

議会は統一ルールブックの策定を急ぐ

この会合は、立法当局にとって極めて重要なタイミングで行われる。下院は2025年7月、「CLARITY法」を可決し、証券と「デジタルコモディティ」を正式に区別しようとしているが、上院は依然として独自の看板法案「責任ある金融イノベーション法([image]RFIA()」を調整中だ。

いくつかの未解決課題が、協議の重要性を高めている:

  • 米国中央銀行デジタル通貨()CBDC()の創設に厳格な制限を課すか、まったく制限しないか
  • ステーブルコイン発行体の監督方法
  • 銀行および暗号資産ネイティブプラットフォーム双方に適用される消費者保護のあり方
  • 米国が、より成熟したデジタル資産規制枠組みを持つ世界の競争相手に後れを取らない方法

最新の上院草案にCBDC禁止条項が含まれなかったことで、特に政府発行のデジタルマネーに懸念を抱く議員の間で今週の協議への注目が一層高まっている。

なぜこの会合が重要なのか

ウォール街の最大手機関が初めて、次世代金融インフラの統治方法に直接関与する。彼らの意見は、暗号資産がもはや周辺的な実験ではなく、銀行や政策立案者、世界的な投資家が共通ルールのもとで向き合うべき産業へと変化したことを象徴している。

もし議会が統一法案の成立に成功すれば、伝統的金融機関も暗号資産企業も長年求めてきた規制の確実性がもたらされる。そして、デジタル資産への安全な進出を目指す銀行にとっては、この会合が新たな競争時代の幕開けとなるかもしれない。

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