ある友人が昔、とんでもないことをやった：880万円のマンションを即売りし、28キロの本物の金塊に換えたんだ。周囲は大騒ぎ——親戚は団体で「まだ不動産価格は上がってるのに、家を売るなんて正気か？」と説得に来て、不動産仲介は裏で「金余りで頭おかしくなったのか」と噂し、マンション前でタバコを売ってるおじさんまで首を振ってた。

8年経って、状況は逆転した。その物件は今、650万円で売りに出しても誰も買い手がつかない。一方、彼はというと——サラッと8キロ分の金を売却（当時は1グラム860円）、安くなった家を買い戻した上に、ハイセンスなリノベーションまで実現。さらに手元には20キロの金塊が残ってる。この話を聞いて、思わず水を吹き出しそうになった——まさにリアルな周期の教科書じゃないか。

正直なところ、こういう話は投資界隈では珍しくもなんともない。よくあるのが、ある銘柄が10倍に上がっても「もうちょっと待とう」と持ち続け、結局すべて吐き出してしまう人。市場が冷え切ったときは怖くて何もできず、上がり始めると全力で飛びつく人。数年前には「そんなのはカモを狩る詐欺だ」と罵っていたものを、今や値段を見て後悔しきりで地団駄を踏む人もいる。多くの人は「これは運だ」と言うけど、僕は思う——運は常にリズムを理解している者にしか微笑まない。本当に上手い人たちは、決して盛り上がりに流されず、転換点で静かに動く。

ここには一つの鉄則がある：永遠に上がり続ける資産はなく、絶えず回り続ける周期のルーレットしかない。金がなぜ強いのか？千年の価値を持つハードカレンシーだからで、世の中が混乱するほど価値が守られる。一方、不動産は確かに昔は金持ちを生んだけど、政策が変わり需給バランスが崩れれば、下がるときは下がる。これはクリプト市場にも同じことが言える。ある資産は「リスクヘッジの盾」（分かるだろ、あの「デジタルゴールド」と呼ばれるやつ）、相場が荒れても下落が緩やか。あるものは「成長型プレイヤー」、ブル相場では何倍にもなるが、ベア相場では半分以下になることも。

大事なのは、自分が今ルーレットのどの位置にいるかを知ることだ。今はハードカレンシーで守りを固めるべきなのか、それともハイリスク資産に賭けてみるべきか？これは直感で決めることじゃなく、周期のシグナルを見極める必要がある。資金がどこに流れているか、感情がどこまで極端になっているか、政策の風向きはどうか。その金を買った友人がすごいのは、不動産市場が一番狂っていた時に天井を見抜き、金が疎まれていた時に全力で賭けたことだ。

周期自体は嘘をつかない。嘘をつくのは自分自身の欲と恐怖だ。