かつて笑いものにされていた柴犬コインが、今や決済市場という巨大な利益の塊にかじりつき始めている。

この数年間、ドージコインは「エアコイン」だの「搾取ツール」だのと散々に叩かれてきた。しかし、イーロン・マスクの後押しもあって、現実のビジネスシーンへの進出に成功しつつある。テスラの充電ネットワークではすでに5000以上のステーションがDOGE決済に対応し、エネルギー部門では報酬として直接配布されている。もはやただのミームコインではない。テクニカルチャートでは月足レベルの「アダム＆イブ・ダブルボトム」が現れ、古参トレーダーならこのシグナルが何を意味するかよく知っている。

海外勢はすでに熱狂状態だ。

新年には2ドル、長期では7.2ドルといった強気予想も飛び交っている。もちろん、そうしたターゲットを実現するには時価総額の上限との兼ね合いもあるが、DOGEの強烈な急騰力は過去のブル相場でも証明済み。さらに面白いのは、この盛り上がりがミームコイン全体に波及していることだ。SHIBやPEPEといった「フォロワー犬」も最近、再び動き始めている。

ただ、冷静に見るとミームコインの戦場は本質的に「アテンション争奪戦」だ。瞬間的に話題になるだけの草コインは数えきれないほどあり、パンプ＆ダンプで搾取されるのが常だ。保有者の集中や流動性の操作といったリスクも依然として存在している。では、DOGEがそれらと違う点は何か？　今回は「決済シーンでの実用化」というカードを切ってきたことだ。ジョークからツールへの進化——このストーリーは十分に説得力があるだろうか。

果たしてこの柴犬は、本当に決済レースを走り抜けるのか？　それともまた新たな感情的バブルに過ぎないのか？