見えざる資本の大移動が進行中だ。

ウォール街の、暗号資産に直接触れられない資金が、新たな「コンプライアンス・チャネル」を見つけた――デジタルアセット・トレジャリー（DAT）だ。これら上場企業はコインを大量に保有し、伝統的な機関投資家は株式を購入することで間接的にイーサリアムを保有できる。ややこしく聞こえるが、効果は抜群だ。

すでに最強のプレイヤーが参入している。ウォール街のベテランTom Leeは、12週間でBitmineを世界最大のETH企業保有ランキング首位に押し上げた：280万ETH、時価総額は100億ドルを突破。これは試運転ではなく、全力投球だ。

彼のロジックはシンプルでパワフル――ビットコインがデジタルゴールドなのは間違いない。しかしイーサリアムは？それはデジタル時代のウォール街そのものだ。米ドルが金とのペッグを外れた後に何が起きたか思い出してほしい：ウォール街は金融商品を駆使して株式市場の時価総額を金の20倍にまで膨らませた。今やイーサリアムがプログラム可能な金融基盤となったことで、どれだけの資産規模を飲み込めるのか？誰にも分からない。

DATは単なる「名義預かり」ツールではない。彼らは3つのことをしている：機関投資家の資金をDeFiに流し込む道を拓き、巨額のステーキングでネットワークのセキュリティを強化し、リアルワールドアセット（RWA）の全面的なオンチェーン化を推進している。言うなれば、伝統金融とオンチェーン世界の間にハイウェイを架けているのだ。

しかし、コインには裏表がある。

少数の金庫が膨大なETHを握って、分散性は本当に保たれるのか？もしもアグレッシブなDATがレバレッジをかけまくった末、市場崩壊時にドミノ式の清算が連鎖しないのか？――こうした疑問には、まだ答えはない。

ただ一つ確かなことがある。DATは過渡的な形態に過ぎないかもしれないが、より狂騒的な未来を加速させている――株式、不動産、果てはあなたの給与収入さえもがトークン化され、24時間透明に取引される世界だ。

イーサリアムの逆襲は、まだ始まったばかりかもしれない。