去年冬天のある深夜。

兄弟が突然WeChatでメッセージを送ってきた。「2日間で！15000Uが38万になった！今回こそ一発逆転だ！」

その口ぶりは、まるでヨットを予約したかのようだった。

俺はすぐに返信した。「今すぐ30万引き出して、残りは好きに遊べばいい。」

彼は俺が水を差すと思ったらしい。臆病だと嫌がった。そしてそのまま契約市場で波乗りを続けた。

72時間後。

電話口の声は震えていた。「口座…もう6000Uも残ってない…」

崩壊、絶望、窒息感が画面越しにも伝わってきた。俺はきっぱりと言った。「今からリスク管理を学べ。でなきゃ次は元本すら守れないぞ。」

彼を小さなグループに引き入れた。リスク管理専門のやつだ。

4か月後。

スクリーンショットが送られてきた。元本2万、残高5万。

コメントはたった6文字。「兄貴、今回は言う通りにした。」

——

トレードに近道はない。

マーケットは底なし沼だ。チャンスは無限にあるが、まずは生き残ることが前提だ。

高レバレッジ？それは死神の招待状。魅力的に見える「割安なチャンス」？全部仕掛けられた罠だ。

一番難しいのは自分自身を制御すること。

オールインしたくなったら、まずポジションを半分に減らして3分間冷静になれ。損失を取り戻したくなったら、アプリを閉じて外を2周歩け。収益を自慢したくなったら、まず一部を出金しろ。

今、この兄貴はまるで別人だ。

ポジションエントリーの頻度は80％減少。大半の時間は勉強、運動、相場監視——まるで獲物を待ち構えるハンターのようだ。

小さなポジションで試す。300負けたら即損切り。800勝ったら即利確。

俺が「この動きは去年の519みたいだな」と言った時だけ、彼はエントリーして20分で取引終了。

先週、彼はこんな感想を送ってきた。

「前は頻繁な取引こそが努力だと思ってた。今になってやっと、我慢強く手を出さないことこそ本当の実力だと分かったよ。」

この言葉をみんなにも送りたい。

一夜にして人生が変わるなんて幻想は捨てろ。まずは一夜で全てを失わないことを保証しろ。

テーブルに残り続ける限り、チャンスは必ずやってくる。

本当の勝者とは？口座に資金、頭に規律、目にシグナル。

安定こそ、常にスピードよりも価値がある。