最近、何人かの友人から「国内OTC市場でUSDTが6.92～6.95まで下落しているのは、大口投資家が猛烈に利食いしていることを意味するのか？BTCはこの先暴落するのか？」という質問を受けました。

まず現象から説明します。確かに、USDT/人民元はすでに7元の大台を割り込み、ディスカウント率は約1.5％程度です。主な原因は、OTC業者が規制の圧力でサービスを一時停止していること、そして一部ユーザーが急いでUSDTを現金化しようとして短期間に売却量が急増し、需給バランスが瞬時に崩れたことです。

しかし、これだけで世界中の大口資金が撤退していると判断できるでしょうか？私はそんなに単純ではないと思います。

OTCの取引規模は、全体の暗号資産市場では実はごくわずかです。オンチェーンデータを見ればわかります。12月4日には、全チェーンでのUSDT純流入が33万枚あり、準備高はすでに600億を突破しています。さらに重要なのは、Tetherが数日前にTronチェーン上で新たに10億USDTを鋳造して流動性を補強しており、同じ日に8700万USDTがある大手取引所に流入していることです。これらのシグナルはすべて、「資金はまだ取引所に流れ込んでおり、むしろ底値買いの準備をしている可能性もある」ことを示しています。

したがって、国内OTCのディスカウントは、むしろ局所的な市場ノイズであり、世界の資金動向を代表するものではありません。

では、今後の相場はどうなるのでしょうか？私個人の見解としては、短期的に大きな下落は起こりにくく、むしろ高値圏でのもみ合いになる可能性が高いです（BTCは90k～95kのレンジで推移するかもしれません）。

理由はいくつかあります。第一にUSDTの準備高が引き続き増加しており、新規発行も続いていて流動性は十分にあります。第二にBTCの建玉（OI）は比較的安定しており、ファンディングレートもプラスで、多くの投資家が強気姿勢を維持していて、パニック的なロスカットは見られません。

もちろん、リスクにも言及しておきます。今後さらに規制が強化され、OTCのディスカウントが拡大すれば、アジア市場の取引量に一定の影響が出る可能性があります（とはいえ全体のシェアは20％未満）。本当に注意すべきサインは、「USDTの純流出がマイナスに転じ、BTCの建玉が急減する」ことであり、この2つが同時に起これば、防御を考えるべきです。

まとめると、USDT/RMBのディスカウントは国内ユーザーの換金圧力を反映したものであり、世界中の大口資金の撤退を意味するものではありません。短期的には相場は高値圏でのもみ合いが続く可能性が高く、現時点で暴落の根拠は見当たりません。

皆さんには、オンチェーンデータ、ファンディングレート、OTCディスカウント幅などの指標に注目し、単一市場の変動に惑わされないようにお勧めします。投資にはリスクが伴いますので、各自で慎重に判断してください。

データは2025年12月5日までのものです。ご参考までに。 🚀